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「あ、そうだ」
美伽は思い出したように、腰のベルトから小型の銃を抜くと、基哉に渡した
「え?なに?」
「使い方は簡単よ。安全装置を外して、撃つだけ」
「安全装置?」
「ちなみにもう外れてるから」
基哉はあわてて引き金から指を話した
「なんで?」
「護身のためには必要じゃん?」
「…まだいるの?」
「うん、当たり前じゃん。小さいとはいえ村丸ごと一個だよ」
「…」
正直、基哉はもうあいつらと会いたくなかった。対峙したくなかったのだ、あの冷たい目と。
「弱点は首の後ろ。あとは頭を丸ごと飛ばしちゃえば倒れるけど、その銃だとちょっと無理かな。取りあえず首を狙って」
「ああ、うん…」
「?どうかした?」
「このまま、帰れるかな?」
「なんで?」
「こんな重要なトップシークレットを聞いちゃったんだ。狙われたり…」
「するわけないじゃん」
「でも話したら」
「誰も信じないっしょ。生見るまでは」
美伽の言うことには一理あった。だからこそ彼女は基哉にそれを話したのだろう
基哉は黙って銃を背中のベルトに挟んだ
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