救世主

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「ハンター?」 聞き慣れない単語に、基哉は反応した。 「そっ、ハンター♪」 鷹嶋美伽は微笑みながら、手に持ったデザートイーグルを掲げた 「うわっ!君それ…銃刀法違反じゃ」 「じゅーとーほー、って何?」 基哉は、これ以上は探らない事にした。何にしても彼女の銃で助かったことはたしかなのだ 「それにしてもさ、なんでぼく、こんなとこにいるの?」 ぼく、というのはどうやら自分のことらしい、と基哉は気付く。そして思った。年下の娘から、なんで子供をあやすような口調で話しかけられなきゃいけないんだ、と。 「俺の名前は基哉。橋田基哉。ちょっとしたハプニングで、迷い込んじゃったんだ」 「そう。じゃあここから出してあげ…あっ!やっぱ無理だ」 「え?なんで?」 「ぼく怪我してるじゃん」 「ああ…」 先ほど鼻無しから受けた蹴りだ。薄皮が切れただけなので、血はもう止まっていた 「それがどうかしたの?」 「ぼく、無知だね」 ―――お前は銃刀法も知らないだろっ! と心の中で突っ込む 「ここの住人に怪我をおわされたら、かかっちゃうんだよ」 「何に?」 「病気」 ドキッ! 基哉はまた心臓を跳ね上がらせた 「びょ、病気って、何のかな…?」 「ここの人達みたいになっちゃうんだ♪私はゾンビ病って呼んでる」 鷹嶋は笑みを浮かべながら言う。それには悪意は籠っていないようだ 「ゾンビ病…」 ―――ゲームの話し…じゃないよな… 「ワクチンはあの城→」 鷹嶋が村の奥の城を指差す 「あそこの伯爵が持ってるんだ」 「伯爵?」 「このゲームの主催者、っていうのが一番いいかな。すっごいふとっちょさんなの」 「…」 基哉は悟る。生きて帰るには、あの城に行き、ふとっちょの伯爵にワクチンをもらうしかない。 ―――生き延びるために、人間はどこまで強くなれるのだろうか。 ふと思う基哉だった
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