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枯れ葉が舞い散る秋になり、心までどこか、物哀しく感じる季節。僕は、勉強を小休止し、毎月欠かさず来る、兄貴からの手紙を読んでいた。手紙と一緒に7万円が、必ず同封されている。お金は、義父母に渡し、手紙は、大切に保管していた。手紙には、僕への激励や義父母の健康を気遣う兄貴の思いが込められていたが、それよりも楽しみにしているのは、PSとして、書かれている、兄貴の近況であった。
手紙には、無機質なメールでは、感じ取れないものが伝わってくる。
僕は、封を切り、PSから読み始めた。
展示場を訪れた女性と、その後どうなったのか、気になって仕方がなかったからである。
【女性とは、電話でのやり取りが続いています。でも内容は、住宅の話ばかりで…。まだ、ん~…、発展が無い。そろそろ気合いを入れて、遊びに誘ってみるよ。】と書かれていた。
兄貴は、結構消極的なんだなと思い、手紙を保管している、お菓子の缶にしまった。
小休止を終え、また長い机との戦いを始めた。
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