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優希は、教室に着くなり、茜を探しだす。
そして、教室の中をグルグルと歩き回った。だが、あまりにも人が多いせいもあって、なかなか茜が見つからない。
『う~ん。このぐらいの時間は、教室にいるはずだけど………』
と悩んでいた優希だが、『はっ』と思い出した。
「そういえば…………」
直ぐさま、優希は、人込みを掻き分けながら、進み始めた。
掻き分けて、掻き分けて、掻き分けて……………
やっとのおもいで、茜の席の近くまでたどり着いた。だが、相変わらず、茜の席の回りは、人でいっぱい。まあ、いつもではあるが………。
『やっぱりな…………』
とため息をつきつつ、優希は、その人をまた掻き分けて進む。
「はい、はい、すんませぇん、ここ通りま~す」
そして………茜を発見!
優希の予想通り、茜は、人ごみの中で気持ち良さそうに、日光浴をしながら、眠っていた。
茜は、委員長の割に、よく寝るんですわ。その上、『寝顔が可愛い!!』と評判になってます。[まあ、当の本人は、気付きもしてないが………]
そして、決まっていつも、起こす役割を果たしているのが優希だったりする。
「あっくん、朝だよ!!早く起きんしゃい!!」
と茜の母風に優希が言う。
「……んん………あと…①時間待ったって…!」
と、とても眠そうに返事が返って来た。
「………ええよ!でも、起きないんやったら、お菓子抜き!!!!!」
と優希が言った瞬間、
「勘弁!!!!!」
と叫びながら、茜が跳び起きた。
跳び起きたとは言えど、
やはり、まだ眠気は抜けてないらしく、目を擦っている。
そのうち、何やらと準備をして、洗面所へと旅立ち、スッキリとした顔で帰って来た。
すると、優希は
「条件はのむから、今日の放課後、俺っちの部に来てね!!ダメなら、今言うかメール送って!」
と言った。
急な話しが飛び出したにも関わらず、茜は、平然として
「……うん。わかった。じゃぁ………行きます」
と応え、自分の席へと戻っていった。
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