第四章:接触と仕事

5/5
前へ
/51ページ
次へ
優希は、教室に着くなり、茜を探しだす。 そして、教室の中をグルグルと歩き回った。だが、あまりにも人が多いせいもあって、なかなか茜が見つからない。 『う~ん。このぐらいの時間は、教室にいるはずだけど………』 と悩んでいた優希だが、『はっ』と思い出した。 「そういえば…………」 直ぐさま、優希は、人込みを掻き分けながら、進み始めた。 掻き分けて、掻き分けて、掻き分けて…………… やっとのおもいで、茜の席の近くまでたどり着いた。だが、相変わらず、茜の席の回りは、人でいっぱい。まあ、いつもではあるが………。 『やっぱりな…………』 とため息をつきつつ、優希は、その人をまた掻き分けて進む。 「はい、はい、すんませぇん、ここ通りま~す」 そして………茜を発見! 優希の予想通り、茜は、人ごみの中で気持ち良さそうに、日光浴をしながら、眠っていた。 茜は、委員長の割に、よく寝るんですわ。その上、『寝顔が可愛い!!』と評判になってます。[まあ、当の本人は、気付きもしてないが………] そして、決まっていつも、起こす役割を果たしているのが優希だったりする。 「あっくん、朝だよ!!早く起きんしゃい!!」 と茜の母風に優希が言う。 「……んん………あと…①時間待ったって…!」 と、とても眠そうに返事が返って来た。 「………ええよ!でも、起きないんやったら、お菓子抜き!!!!!」 と優希が言った瞬間、 「勘弁!!!!!」 と叫びながら、茜が跳び起きた。 跳び起きたとは言えど、 やはり、まだ眠気は抜けてないらしく、目を擦っている。 そのうち、何やらと準備をして、洗面所へと旅立ち、スッキリとした顔で帰って来た。 すると、優希は 「条件はのむから、今日の放課後、俺っちの部に来てね!!ダメなら、今言うかメール送って!」 と言った。 急な話しが飛び出したにも関わらず、茜は、平然として 「……うん。わかった。じゃぁ………行きます」 と応え、自分の席へと戻っていった。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加