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数分後。
良平は、部の活動内容についてを話終えたようで
「今のところ、質問はないですか?」
と茜に聞いていた。
それに茜は
「部活で、こんなことしちゃっていいんですかい?」
と即答した。
まあ、学校の部活で、学校外のことに首を突っ込むなどということは、普通はありえないだろう。そんな常識はずれなことを仕出かすのだから、聞きたくなるのも無理は無い。
そして良平は
「いいんですよ!!ちゃぁんと許可は取ってありますから。それに、頼まれたりもしますしね!」
と平然と答えた。
普通なら『許可出す上に、頼んじゃうのかよ!!』と言いたくなるところだろうが、あまりにも良平が『当たり前』のように答えたものだから、茜は
『そんなもんなんかなぁ………』
と思った。
まあ、茜がそう簡単に思ったのは、元々、茜自身が鳳来(株)の一員だったということもあるだろうが…………
そして、茜は
「他にはないです!」
と言った。
すると、良平が本題の話をし始めた。
「では、これから話すことを信じるか否かは、市原君の自由ですが、部外の人には、絶対に言ってはいけません。これが守れないなら、話しませんが………」
その言葉を聞いた茜は、
「もちろん、守りますよ!!ダテに鳳来名乗っちゃいませんから!!」
と、とても真面目な顔で即答した。
その茜の様子を見て、言っても大丈夫だろうと判断した良平は、続きを話し出した。
「ならば、その言葉、信じますよ!では、この部の本当の仕事について、簡単に説明します。で、単刀直入に言いますが、この部では、本当の持ち主に届けるため、物を奪還します。と言っても、いわば、盗人………かっこよく言えば、怪盗ですかね。」
そのことを聞いた茜は、自分の耳を疑った。しかし、自分も、ついこの間までは、似たようなことを やっていたから、反論はしなかった。いや、できなかった。
良平が続ける。
「で、今回、私たちが果たすべきことは、市原君の条件と鳳来に眠っているお宝を本当にあるべき場所に戻すこと。勿論、市原君にも、今回から加わってもらう……つもりですが、いいですか?」
良平の申し出に茜は、
「上等!!やりがいがありそうだし、鳳来みたいな悪じゃなかそうだし………。やります!!」
と元気よく答え、了承した。
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