第六章:奪還

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ゴギュ…ゴギュ…………ジジジジ………………… 謎めいた目覚まし時計の音が鳴り響く。 そんな部屋の中で 「んん!!!!!!」 と伸びをしながら目覚めたのは…優希だ。 なっが?????い伸びをした後、身支度を始める。 眼鏡をかけ、帽子をかぶり、スーツを着て……… 出来上がった優希の姿を見てみると、まるで男爵。『学生』とい思う者は、誰ひとりとしていないだろう。 優希がここまで変装しているのは、今日のイベントのためなのではあるが………。 今日のイベントは、鳳来で行われる、コレクターを集めたパーティーである。このパーティーでは、競り、いわばオークションも行われる。ただし、裏世界の闇オークションだ。 で、そのオークションにお宝が登場するわけである。 そして、『競りにかけられる前に取る』というのが優希の役目。 だから、『学生』などと思われたり、なめられたりするわけにはいかないのである。 「よっしゃぁぁああ!」 雄叫びをして、ホッペを叩き、もう一度気合いを入れ直す。 そして、 時間だ!時間だ! という、なんとも言えない、携帯の着ボイスと同時に家を後にした。
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