第六章:奪還

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午前八時二十四分。 集合時間六分前。 優希は、他のメンバーより一足先に、鳳来(株)近くのカフェに着いていた。 そして、紅茶を五つ頼む。 優希は、紅茶が届くまでの暇な時間を携帯をいじりながら過ごしていた。 そして、 集合時間八時三十分。 優希が来た時よりも人の出入りが増え、少々、賑やかになりつつある。 そんな時、一人の婦人とオーナー、そして、黒いスーツを身にまとった若社長らしき人達が、優希の方へと歩いてくる。 そして、優希の真横に来たところで、 「待たせたな!!」 「おっす!!」 「おはようございます」 と口々に言った。 そう、この三人は、准、龍二、そして良平なのである。 挨拶を交わした三人は、それぞれ席に着く。 そこへ、 キョロキョロ と顔を振りながらどこかの坊ちゃんらしき人が、向かって来て、立ち止まった。 そして 「市原ですけど………部の方々で……??」 と小声で不安げに聞いてきた。 「………あっくん??」 と言う優希の声を聞き、ホッとした顔で坊ちゃんに成り済ました茜は、ゆっくりと頷いた。 その間、茜の面影があまりにも無く、驚いたためか、他の三人は、声を発しなかった。 そして、全員が揃ったところで、良平が最終確認をとる。 「全員一緒に入場。その後は、各自、自分の持ち場へ行き、後は、役割を果たす。方法は、自由。ただし、相手に大怪我は負わせないこと。これらをしっかりと守り、ミッションを成功させましょう!!」 そして、個々に準備と確認を済ませ、午前九時、五人はカフェを後にした。
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