愛ノ唄

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「そうなんだ…。あのさ、俺言ってなかったよね?滝沢…茜とライブやるって」 ピクリ、と貴教の肩が揺れる。 「あ、うーん、知ってはいたよ。けっこう噂になってるから…異色のコンビだって。結局出るんだね」 すごいな、楽器とか俺全然だし。と笑いながら言う貴教の顔は、少しだけ強張っていた。 高い位置にある貴教の横顔を見ると、以前の事を思い出す。 屋上でされた…キスのこと。 「蜜さ、いっこ聞きたいことがあんだけど」 生徒会室の前で貴教が立ち止まる。 少し、嫌というか、悪い予感がする。 「はっきり聞かせて?滝沢と…付き合ってるの?恋人として」 貴教に見つめられる。大きな一重の瞳に見つめられ、ドキンと胸が高鳴ったのは何故だろう。  
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