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鍵がかかっている、それが愛奈の好奇心をかきたてどうしても中が見たいといつも思わせていた。 愛奈は震える手でデスクの引き出しにポケットから取り出した鍵を差し込んだ。 ピタリとはまったその鍵に愛奈は息を呑んで右回りに鍵を回した。 カチリと音をたてて開いた引き出し。 愛奈は引き出しの中を覗き込んで息を止めた。 その引き出しに入っていたのは大量の写真。 その写真に写っているのは……。 「お兄ちゃん?」 いや、違う。 雅樹とは明らかに違う雰囲気と表情。 それに写真の人物は愛奈から見たらずっと年上の女の人だ。 愛奈の兄と同じ顔をしたその女の人は、普段から表情を表に出さない雅樹からは考えられないほど穏やかに微笑んでいた。 引き出しの中に詰まっている写真はどれもその女性が写っていた。 一枚一枚、引き出しの中の写真を確認するように見る。 ため息が出るほど美しいその女の人は天使のような顔をして、いつでも幸せそうに微笑んでいる。 「……この人は誰?」 多分、雅樹と何らかの関係がある人なんだろうということは分かる。 しかし、それが具体的にどういう関係なのかと考える事が出来なかった。 写真の中の一枚に愛奈の手が止まった。 「ママ?」
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