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小学校へは毎日通った。
1年生から6年生まで混ざって3組に分かれて勉強していた。俺と同じ年の奴は13人。学年は4年生だった。
みんな口を開けば寂しくないか、どんな生活してるか。
…普通の生活だよ。
朝は早いし祈りの言葉みたいのを言わされていたけど、それ以外は普通。
俺はこの頃には完全に他人に心を閉ざしていた。
誰かと言葉を交わす事もめったになく、友達はいなかった。って言うよりいらなかった。
村で会話を交わすのは神父1人くらいだった‥。
学校から帰るとすぐに教会の裏に向かった。汚いバスケットリングを発見したからだった。昔親父に買ってもらったっきり使う機会のなかったバスケットボールを引っ張り出して、ただシュートするだけ。
喋らなくていい。
いい気晴らしだった。
小学6年生の冬、俺の人生に転機が訪れた。
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