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風
潮の匂い、蝉の声、心地よい風、丘に登って見渡せば広がるのは海と自然。寄り添ってるかのように並ぶ民家。
俺が産まれて育ったのはそんな田舎の村だった。
母親はイギリス人とのハーフで、俺が物心つく頃には男と村を出て、それからは親父と2人暮らしだった。
そんな親父も俺が小学校にあがるくらいに事故で死んだ。
親父の親戚は誰もいなかったのか、付き合いが悪かったのか、誰1人として手を合わせに来る事はなく、何事もなかったかのようにその後は村の古びた教会で神父に育てられた。
村では大きい事件などはめったになく、小さな村だけに噂話しなどはすぐに広まった。
母親に捨てられ、父親を事故で亡くし引き取り手もなく教会で生活してる目の茶色い小学生の不幸な少年。
その話しも当然あっとゆうまに村に広まっていった。
教会にやってくる奴の中には、ただの見物人もいた。まだ幼かった俺を見て哀れんで帰る。
その環境は子供ながら息苦しいだけだった。
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