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旅立ちの日
卒業式の日が来た。
昨日は全然眠れなかった。
明日には東京にいる…。
冬休みが始まった頃には全然遠くの事に感じた。けど、今日にはこの村に自分はいない。
始業式が始まり春休み、それから今日まで学校には何度か来たけど、何故かこの日だけは見慣れた学校の景色が懐かしく感じた。
もぉ2度と見る事はない。みんなと会う事もない。
朝、教会を出る前に長々と神父宛てに手紙を書いた。それを置いて行くか、何時間もマリアの前に座り込み悩んだ。
結局手紙は持って来てしまった。
その代わりノートの切れ端に『お金はいつか返しに来ます』とだけ書いて置いてきた。
風で飛ばされてなければいいけど…。ま、飛ばされてもいっか。
卒業式が始まり、卒業生の言葉。体育館からは鼻をすする音と静かに音楽が流れ、それと共に卒業証書授与。
校長が1人づつに何か言っている。
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