三日前の記憶より

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俺はそう言うと空を見上げた。 透き通るような空に、一つの雲が浮かんでいる。 「今度こそおまたせぇ。」 そう言って、夏樹は玄関から笑いながら出てきた。 「おら、早くしろ。マジで遅刻になるぞ。」 俺は呆れながら、夏樹に背を見せて歩き出した。 「もう、まってよー!」 後ろから夏樹の声と、駆け寄ってくる足音を耳にしながら、学校への道筋を少し足早に歩く。 まさか、夏樹の笑顔を見るのが、この後当分無くなることを、その時の俺は知らなかった。
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