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俺は言われるまま、三日前の彼女の様子を、知り得るかぎり詳細に書き始めた。
十分ぐらい経っただろうか、書き終えた紙を九条康隆に手渡す。
九条はそれを受け取ると、
「私への報酬は………」
その後の言葉が、激しい耳鳴りに襲われて、聞き取れなかった。
聞き返そうとしたが、九条の携帯が鳴り、そのタイミングを見事に失ってしまった。
電話をしている九条を横目に、頭の中は不安が段々広がっていった。
九条が電話をし終えると、俺は九条になぜか三日前の朝のことを語り始める。
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