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三日前の記憶より
清々しく晴れ渡る朝の空は、これから起きる事件すら感じさせないほどさわやかだった。
「おーい、まだかよ」
…家の奥から今行くという言葉がききとれた。
あいつと来たらホントにマイペースだよな。
俺はそう心で呟きながら、腕時計を見た。
時刻は既に八時半、まじかよ!リミットぎりぎりじゃないか!
「遅刻だぞ」という言葉が脳から司令を出して、音声に変わろうとしたとき、
「おまたせぇ、ごめんごめん」
玄関を飛び出して俺の前に来ると、そう言いながら両手を合わせてばつが悪そうに片目を閉じて、舌を少し出している。
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