1章【出会い】

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やばすぎる相手だった。 空手2段で勝てる訳が無い。 何故だか分からないが、名前を聞いた途端にそんな感情が僕を襲った。 名前に聞き覚えなんかこれっぽっちも無いのに…。 でも、やるしか無かった…。 ここで負ける訳にはいかないのだ。 男らしく戦い抜いてやる! 「行くぞっ!」 僕は、警官に向かって突撃する。 「遅いわっ!」 僕の視界から警官が消える。 瞬間、背中に激しい衝撃が走った。 ビシイッ! 「ひぎいっ!」 ボカッ! 「らめえっ!」 ドスッ! 「これ以上はっ!」 バキッ! 「おかしくなっちゃうっ!」 ブリッ! 「ああっ!」 激しい攻撃に僕はなすすべなくやられてしまう。 ちなみに最後のブリッは決して漏らした音ではない。 「狂ってる!世の中みんな狂ってるんだよ!」 訳の分からない事を言いながら、倒れた僕を執拗に殴り付けて来る警官。 意識が遠のいていく… 僕は…こんな所で死ぬのか。 あまりに運が悪かった。 まさか交番勤務のお巡りさんが、銀河ギリギリぶっちぎりの凄い奴だなんて誰が想像し得るだろう。 だが、死を覚悟した僕をある声が目覚めさせてくれた。
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