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光秀は坂本城下に陣取っていた。光秀は焦っていた。毛利や上杉と対峙するためには信長残党を早めに討たねばならないからである(まだ光秀は信長生存を知らない。)
しかし坂本城主・堀秀政は名人久太郎と呼ばれる男である。そう簡単には落ちない。
「秀満!まだ落ちんのか?」
秀満とは光秀の親族である。
「はっ、まだ落ちませぬ。かの城主、見事な戦ぶりでござる。」
「貴様、敵を讃えるとは何様じゃ!」
光秀は手に持っていた軍配を秀満に投げた。秀満はそれを手で塞ぎながら言った。
「申し訳ありません。しかし良い情報もあります。」
「なんじゃ?」
「後3日程で毛利勢がやってきます。」
「なんじゃと!それは良い情報では無いわ!早く城を落とさねば毛利に笑われようぞ。」
その時、
「伝令!日野城からの後詰めが来ます!」
秀満が驚く。
「数は如何程じゃ?日野からということは蒲生勢か。本能寺の時の邪魔した怨みいまこそ果たさん!」
しかし伝令は、
「数はおよそ5000、旗印はその…織田木瓜…織田家であります。」
陣内にどよめきが起こる。秀満がそれを制す。
「静かにせい!蒲生の策であろう。我らに心理的攻撃を与えるつもりじゃ。」
光秀が静かに頷く
「うむ、秀満の言う通りじゃ皆の者、蒲生勢を打ち砕いてくれようぞ!では12000の軍勢の内3000を城への備えにして残り9000を蒲生に当てる!者共、進めぇ!」
こうして蒲生勢(信長)対明智勢の戦いが始まった。
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