光秀の野望

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 1582年五月下旬、光秀は悩んでいた。いかにしてかの魔王・信長を殺すのか。    結果は無理だ…しかしながら旧幕府将軍足利義昭や朝廷から頼み込まれ、しかも朝廷からは官位を授けると言われている。  確かに最近の信長は狂気じみている。 例えば天正9年、つまり去年の事だが息子の信雄に伊賀を平定したときにも何千という人々を殺し、伊賀に恨まれている。  朝廷とて最近は信長が朝廷をないがしろにしているのもまた事実。  過去にも比叡山での焼き討ち、長島一向一揆における大虐殺等も行なって新しい国造りを始めている。光秀から見てもいつ信長が朝廷を切り捨てて、自分が神になってもおかしくない状況である。    もともと幕臣であった光秀も我慢の限界にきていた。光秀が自分の家で悩んでいるとある人が訪ねてきた。
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