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「オークション」に出される日、あたし達は一斉に大浴場へ連れて行かれた。体を洗い、髪を切り、化粧をして、見ためを良くした。
大浴場から戻ると、檻の前に番号順に並べられた。全てのDOLLYはあたしと同じ顔、同じくらいの背丈、同じ髪型、全てそっくりだった。
その時、後ろから唸り声と騒ぐ声が聞こえた。「DOLLY21」だ。彼女はDOLLYのなかでも少し気性が荒いらしい。彼女だけには手錠や足枷などがはめられていた。その周りは鬱血して黒くなっていた。
焼き印をおす時も、暴れたのだろう。DOLLY21の顔は焼けただれていて、皮膚が溶けているようだった。そして焼き印は、かわりに胸元に「DOLLY21」と焼き付けてあった。きっと売り物にはならないだろう。人間は、醜いものを忌み嫌う。
あたし達は人間に追い出されるように、檻の部屋から出ようとした。入り口に近づくにつれ、番号は小さくなる。もうすぐで入り口になってくると、No1からNo10が檻の中にいた。
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