九州平定・四

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九州平定・四

前後から攻撃をされた島津軍は、続々と討ちとられ、島津朝久は踏みとどまって戦うつもりでいたが、副将に島津以久、上井為兼が反対して、血路を切り開いて離脱するように進言し、聞かない朝久が離脱させた。 その間、先陣の指揮をとっていた指宿忠政が、後陣を守っていた平田歳宗が討ち死にし、北郷時久は生け捕られた。 本陣を守っていた島津以久は、矢傷を負いながらも奮戦、 「踏ん張れ、踏ん張って血路を切り開いて、本隊に行き着け、一人でも多く、辿り着くのだ。」 といって、立花勢と切り結んだ。 一方の上井為秋も奮戦していたが、槍傷を太腿に受けて態勢を崩れたところに、立花勢が殺到したが、島津以久が駆けつけて助けた。 そこへ、別働隊の急を知った島津義弘から向けられた比志島国貞、新納旅庵、白浜重政らが救援に駆けつけた為、激戦となったが、島津軍の兵力にじりじりと押されはじめた。 立花勢が劣勢になりかけた時、立花道雪が軍配で合図をすると、新手の島津勢にむけて、鉄砲が一斉射撃がなされて、新手の島津勢も混乱した。
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