九州平定・六

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九州平定・六

吉川元春から説明を求められた筑前国古処山城主秋月種実は、高橋種冬、長野種信の弟二人を派遣、もう一人の弟高橋元種を人質にすることで、嫌疑を晴らすことに尽力した。また、香春岳城を毛利の本陣にと明け渡した。 もう一人、豊前国城井城主宇都宮鎮房は、家臣野中鎮兼、白川脩秀を派遣して、釈明させた。また、宇都宮鎮房の父長甫を人質に出した。 一応、周辺の状態に見切りをつけた吉川元春は、秋月氏が譲渡した香春岳城に本陣を移し、また、小早川隆景は、奈多鎮基のいる奈多八幡に陣所を構え、そして、山中鹿之介率いる尼子隊は、宝満城に移動した。 その頃、軍監隊は、馬ヶ岳城へ移り、大友家の田原紹忍、斎藤紀伊入道、竹田津鎮満らと、今後について相談していた。 その中で、宝珠山種良や、若林鎮興らは、城井谷の宇都宮一族に疑惑の目を注いでいて、武田家の軍監二名は、赤松家中の間島氏勝、梶原景秀を特に城井谷目付としておき、不慮の事態に備えた。 その頃、吉川元春は、側近の口羽春良を大友宗麟のもとに派遣し、肥前国天草五人衆を、島津靡きを改めさせ、有馬、大村、相良氏にも協力させるように翻意させるべく説得役をさせるように求めた。
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