低いステージ

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低いステージ

低いステージの上 必死でカッコつけた 自分も人も 上手に騙し 夢を見て 夢を見せた… ライブが終わった後 「今日のライブお客さん多かったよな!!」 「俺もびっくりしたよ!」 「ってか直樹の新曲いいよな!お客さんの反応よかったよ!」 「…そうかな?」 僕は少し照れながら ライブが終わった後の 片付けをする 「ってか今日のライブ俺たちかっこよかったよな」 笑いながら バンドメンバーの 一人が言う 「俺も思った!」 「俺もちょっとほんとにデビューした気になったよ」 満足そうに 今日のライブを語る メンバー 僕一人だけ 今日のライブに少し 納得がいってない それはきっと 僕は本当に満足した 曲が作れていないのに かっこをつけて 唄ったからだろうか… 「よしっ!!打ち上げ行こうぜ!!」 「あ…俺いいや」 「なんで直樹行かないんだよ?!」 「や、家でユリも待ってるしさ」 「そっかぁじゃあしょうがないな、幸せもんだな」 僕をからかうメンバー 本当は みんなはライブが成功して気分がいいのに 僕だけ納得してないなんて言えなかった メンバーと 別れた帰り道 僕はひとり ユリの待つ家に帰る
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