弱音

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弱音

「ただいま…」 「おかえりー!今日のライブ最高だったよっお疲れさま」 いつもは 癒されるユリの笑顔… だけどさっきの事もあって僕は ユリに八つ当たりを してしまう 「全然よくないよ、今日お客さん少なすぎだし…だめだよ」 真夜中鍵かけた部屋 膨れたポケットを裏返すと… 出てくる1日分の弱音… 「だいたいメンバーがあんなにやる気なかったら意味ねぇよ、こっちだって必死で曲作ってんのにさ」 つい、バンドメンバーの愚痴まで言ってしまう僕 「だって売れないからって売れるような曲作ったって意味ねぇし…」 どれだけ弱音を 吐いただろう… 僕は言う事がなくなって黙ってしまった するとユリが ふっと笑う 「真面目に聞けよ!」 僕はなんだかバカにされたようで怒鳴ってしまった なのにユリは 僕のそういうところも全部 「…かわいい人ね」 と言った ユリの幸せそうな顔 僕もつられて ふっと笑う 叫んでも 唄っても その一言には 勝てる気がしない
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