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『んぐぉぁぁぁあっ…』
零ってゲームの悪い所は怨霊の声が…なんかこう……体の奥から響いてくるような…そんな感覚を醸すことだと思う。
めっさ怖ェよ…
なんか理性をじわじわと蝕むような恐怖が…自然とコントローラーを握る手から血の気を引かせていく…
『ずっと……あなたを……………待ってました…待ってまし…た………待ってたのにぃあぁぁあぁあ…ッ!』
「ぅおああああキタ~~~ッ!」
俺の恐怖が最高潮に達した瞬間…
ドゴンッ
「うぉっ?!」
ビビった。マジビビった。超絶ビビった。激烈ビビった。
どうやら音の主は外のようだった。畜生め。
必要以上の恐怖(恐怖が必要かどうかなんざ知らねえけど)は回避不可能の上に最大HP半減の追加効果付きだ。許せん。まだ俺に三分の一だけ残っていた健全な青少年の純情な感情を踏みにじりおって。
ヤキ入れたる。
ガラピシャンッ!
「っじゃあしゃぁぁあッ!」
夜の戸張に消えゆく我が怒声…
「あら?」
…誰もいね…………ん?
「…ありゃ……蘭か? もう一人…いるな。誰だ?」
男がいた。
こちらからは背中しか見えないが、蘭となにか話してるみたいだった。
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