8。おやじ戦闘中

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8。おやじ戦闘中

抗ガン剤 まだ 打ちはじめは 普通に病室で過ごす 二日ほど 点滴で流し そこから 無菌室へ 入る でも 病室に行ったときにはいつもしんどそうにしていたが 私が行くと 無理に起き上がり座った… 「えと…バニラのアイスと梅干し…」 「わかった」 「あと…俺がオムツをしていること誰にもゆわんといてくれ…」 プライドだ おやじはプライドの高い人間で 近所の人や友達たちに入院は 検査入院だと言ってあり 入院している病院さえ教えていない そんなんゆわへんわ… いまゆうたけど おやじはフタマワリほど 小さくなっていた 鬼 悪魔 サタン な おやじはどこにもいない… バニラのアイスを買って来た おやじは一口食べた… 「ありがと…もういらん…」 一口が 食べたいだけ 食べ物も喉に通らない。 こんな日が何日も続き 無菌室に入る おやじとは ガラス越し 薬がキツいせいか かなりダメージが来ていて…電話のところまで 起き上がることもできず ガラスを叩く私に 手を 振った… 気持ち微笑んだ しばらく 回復するまで 無菌室ですごすことになる
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