9。おやじ休戦?

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9。おやじ休戦?

おやじは 日に日に 辛そうな姿で 病室で待っていた 私がくると 軽い笑顔で迎える… 「遅かったな…待ってた…」 「うん…」 昔のあたしならば あたしだって色々用事あんねん! なかなか病院くるのも大変やねんで! 遅かったとかゆわんとってよ… と 怒鳴っていたに違いなかった… 仕事も辞め、看病に徹したことで 多少 ゆとりはできたのだ しかし 病室は 病人でなくても 毎日通っていると 自分は病気なのかと おもうほど 精神的に辛い 隣りのベッドのじいさんが 息子を 怒鳴り散らかしているのが 聞こえる 「入院してきた当時は、しずかなおじいさんやったのに…治療するにつれてなんかあんなんなってきてるみたいやわ…イライラするんやな…」 父は呟いた…… 気持ちがわかるに違いない…
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