9。おやじ休戦?

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ある日、おやじは私に言う 「そこの引き出しをあけてみ」 そこには パンフレット的なものが 入っていた 中をあけてみた 葬儀屋のパンフレット… 「俺になんかあったら、段取りはそこに書いてるから…ちゃんとやるんやで… 死んだらどうしていいかわからんやろ…?ヨウコ困るやろ?」 「なにをよ…!こんなもん用意せんでいいわ」 あたしは無理矢理笑ってみた… 「あと…そこの紙に死んだら連絡する順番書いておいた」 ミミズの這うような 文字で名前電話番号を 書いている一覧…… 「それから…その写真…この写真を葬式に使ってくれ…」 おやじは 写真まで 用意していたのである… どうやら まだ 少し体が動けるとき 一日外泊をして家に帰った日があった 結局 やばくなって 夜中に救急車で病院に戻ってきた のだが…その時に 全部 段取りしていたみたいだ 私は、いてもたっても いられず 涙を止めるのが 精一杯で… 「あほちゃうか…」と 封筒を ほうりなげ…病室からでていった……
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