16人が本棚に入れています
本棚に追加
心を 落ち着かせ部屋に戻る
もう おやじは 人の顔色を見る余裕などなく
ベッドに横たわり 寝ているだけだった
たまに ふと目を うっすらと 開け 私を見た
ベッドに横たわるおやじの横で 私は 色々な事を思い出す…
私が小さい頃 強かったおやじ
運動会で走り1位にならないと 怒ったおやじ
お母さんの頭を洗面器や重箱で 叩き割ったおやじ(怖い)
木刀を持って暴れたおやじ
(あぶない系やな💦)
そんな強いおやじは どこにもいなかった
他人には迷惑かけたらあかん と なによりも 人に気使う おやじがいた…
そして 弱りはてたおやじがそこにいた
おやじが目を開けた…
「バニラ…」
「買ってくるわ…」
私は バニラアイスを おやじに一口だけ 口に入れた
「もういらん…ヨウコ…」
「なに[?]」
おやじは 手で パーを してきた…
「なに[?]」
「もう…おれ 五日しか もたん…」
「んなことないよ…!大丈夫!」
おやじは また眠りに入った
最初のコメントを投稿しよう!