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幕末 京都 甘味屋松野屋前
?「ハァ、ハァ………」
?「貴方は何時までこんな鬼ごっこを続けるつもりですか?いい加減……死んでください」
新月の夜、命をかけた鬼ごっこをしている二人の男が居た。
追われる側の細くて見るからに弱そうな男は、息を切らしながら必死で逃げている。
それに対し、追う側の男は全く呼吸を乱さずに、まるでこの状況を楽しむかの如く黒い笑みを浮かべていた。
だんだら模様に《誠》と書かれた羽織りを身に纏い、後ろで束ねた長い黒髪を風に靡かせ、刀の鞘に手をかけながら軽やかにその男を追う。
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