記憶の扉

3/6
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
友達が連れていってくれた海は、俺にとって懐かしい場所だった。 俺の中には小学校2年の夏をここで過ごした記憶があった。 「どうしたんだよ?変に懐かしい感じ出しちゃって。」 「・・・ん?あぁ、ここ母さんの故郷なんだ。まあ、俺からしたらばあちゃんの家があるとこって感じかな。」 「へぇ~。偶然だな。」 「海に来るまで分からなかったよ。周りはずいぶん変わっちゃってたからさ。」 「最後に来たのはいつだよ?」 「えぇっと・・・確か小2の冬。ばあちゃんの葬式の時だな。」 「あ・・・わりぃ。」 「いいよ。今さらその時のことあんまり覚えてないしさ。」 季節は、夏ということもあり海水浴に来てる人もいた。俺もその後海を楽しんだ。 その帰り、俺は友達の車には乗らなかった。 もう少しだけ、自分の思い出を思い出したくなったからだ。 こうして、俺は友達と別れた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!