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序章(一)-転生、再誕-
白い霧と眩(まばゆ)い光に包まれた空間には、古代ギリシャに見られる神殿風の建物、その内部に玉座。建物の周りは、灰色の石畳が取り囲んでいる。
玉座に座る女性に向かって、この空間の客人である彼は言った。
「俺は……転生出来るのか?」
この空間が何の為に存在するのか、何故彼はここへ来たのか、既に女性から説明を受けたようだ。
不思議そうな面持ちで、それだけを尋ねる。
「……『罪』の事を気にしているのですか? 『罪』を犯した者だからこそ、貴方は自分が転生する存在である事を、信じられないのですね?」
女性が柔らかな微笑を浮かべ、問うと彼は小さく頷いた。
その表情から、彼の犯した『罪』に対して、彼がどれだけ後悔しているかが窺(うかが)える。
どんな『罪』だというのだろう。
それは、彼自身の口から間もなく――表現が婉曲(えんきょく)しているが、明かされるのだった。
「……あんな下らない理由で他人を陥れようとした罰が下ったんだと、今は思う。そして、そいつに嫉妬していた事に今になって気付いた」
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