無意識恐怖

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その様子からは、少々挙動不審な感じが否めない。 相手は教師といえ、何故こんなに謙譲(けんじょう)する必要があるのだろう、有飛は心の片隅で自問した。 「その通りだ。『あの』花壇の草むしりをお前に頼む」 妙に偉そうな態度で、教師は答える。腕組みもしている所為で、それが尚更だ。 「そ、そんな……」 その場にがくりと膝をつく有飛。 「軍手とかの道具は後で先生が持ってくるから、お前は先に裏庭に行っとけ。反省文書かされないだけ、有難いと思うんだぞ」 そう言って、教師は職員室の奥へと歩いて行った。 有飛も暫くの間膝立ちの姿勢をキープしていたが、諦めたようにとぼとぼと職員室を出ていく。 裏庭に行くと、噂通りそこはまさに、『無法地帯』と称するに相応しい程雑草が伸びていた。 おまけに裏庭だけあって空気もじめじめしており、日光の入り具合も好ましくない。 何故こんな場所に花壇などあるのだろうか。 有飛の心中に、この光景を見た者なら誰もが抱くであろう疑問がよぎる。 「……はあ……」
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