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高賀『…………。』
朋子「…………。」
カチ……カチ……。
時計の秒針の音だけが無音なこの場を支配する。
高賀『…………。』
な、何だよ朋子の奴……。いつもならうるさいくらい喋って抱き着いて来るくせに……今回はやけに静かだな……。
カチ……カチ……。
高賀『…………。』
まだ3分にはならないか……。何だか随分長く感じるな……。
そんな中でも朋子は俺をきつく、大事そうに抱きしめる……。
いつもは無理矢理って言うか……恥ずかしくてわからなかったが……俺は今、普段感じない変な感覚に襲われていた。
朋子「……高賀?」
そんな時、ずっと黙っていた朋子が口を開いた。
高賀『な、なんだよ?』
朋子「今、どんな気分?」
どんな気分………か。
そうだな……この感覚は………。
高賀『……なんかドキドキするって言うか……体がムズムズするような感覚がする…かな…。』
朋子「ふーん……?兄妹がこーいう関係になるのって…世間では近親相姦って言うんだっけ…?」
高賀『…………!』
近親……相姦……。
嫌な響きだな…。
なんだか胸を槍で射ぬかれたような感覚に襲われる……。
朋子「でも、その言葉が存在してるってことは妹に感情を寄せるのが必ずしもおかしいってわけじゃないからね……。」
高賀『……あぁ。』
朋子は何故こんな話を俺にしてるんだ……?
もしかして、俺はその近親相姦ってやつを体感しているのか……?
朋子「高賀の体って暖かいよねー……。何だかこのまま眠っちゃいそーだよ……。」
俺に抱き着いたまま朋子がそう言うと眠そうに目を擦った。
朋子「あ……もう3分かぁ……。早いなぁ。でも眠くなってきたし、別にいっかぁ……ふぁあ…。」
高賀『そうだな……。そろそろ寝るか。』
朋子「うん!高賀のベットで2人一緒にね!」
高賀『それは遠慮しておく。』
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