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「すみません、中に忘れ物しちゃったんですけど…」
劇場出入り口で警備員さんに尋ねる。
「どんな物ですか？」
「白いコートです。一番前の真ん前の席にかけてあると思うんですが…」
「わかりました。見てきますね」
幸い、尋ねた警備員さんは親切で、快く引き受け、劇場内へ入っていった。
「あ、宮城さん！そのコート、どこでみつけました？」
警備員さんが客席から出てきた漣斗に尋ねた。
「これですか？一番前の…」
「あぁ、それです！忘れた子が取りに来てるので渡しますよ」
「お、俺が渡しに行きますよ！」
「え…しかし…」
「いいんです」
漣斗に圧された警備員さんは渋々納得し、漣斗と共に、優香の待つ出入り口に向かった。
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