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そういって相手の返事も聞かずに携帯を閉じた。
そしてぐったりしている男を見て一言。
「…大丈夫なのか?この人…。」
青年は手頃な箱を見つけ、またがる様に座った。
「黒髪かぁ…。初めて見るな。」
普通、髪の毛は赤色か青、またに黄色や緑系の色があるくらいだ。
ましてや黒なんてものは一度も見たことがない。余程珍しい色か、又は人であらざるものでしか有り得ない。
「染めてんのか?」
しかし、わざわざ黒に染める者は居ないだろう、と思い直す。
なんたって、黒はあまり良いとはされていない。
それどころか、不吉、不幸の象徴とさえ言われている。
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