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「えっと、ぼく…。…俺はアルジャーノン・ベンチュリって言います。…あの、貴方は……?」
「………ウィルド……」
警戒をしているのか、かなり小声だった。
それでも、しっかりと聞き取ったアルジャーノンはニコリと笑う。
「ウィルドさん、ですね。…ところで…貴方はいったい、どうやってこの町に入ったんですか…?」
おずおず、といった感じで話かけてみる。が、
「………知らない。」
そう一言呟き、下を向いてしまった。
喋りたくない。そんな雰囲気を放っている。
「…ではウィルドさん。俺、医者呼んで来ますね。」
空気を読むのが上手いアルは再びニコリと笑って部屋を後にしようとした。
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