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「……っ!お父さんとお母さんをバカにするな!」
少年が顔を上げ、いきなり叫んだ。
寸の間、場が静まりかえる。
「…『お父さんとお母さんをバカにするな』?…ハッ!バカにしたくもなるさ!お前を残して居なくなっちまったんだからなぁ!」
「………!」
「そら、捨てられた化け物!さっさとこの村から出ていきな!」
男の声で他の大人も勢力を取り戻した。
再び場がうるさくなる。
そうしてどれくらいの時間が経っただろうか…。
そして、突然少年が勢い良く立ち上がった。
「…わかっ、た…。」
少年が呟く。
「出て…いけばいいんでしょう…?」
周りは、またシン‥とし始めた。
「どのみち、出ていくつもりだったんだ。こんな村」
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