行方不明者

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「いたた…。殴ることないじゃないか!」 「いやいや、あるだろ!」 暫くわめいた結果、ウィルドは人間ではないと言うことに落ち着いた。   ついでに、殴った事はアルジャーノンがうやむやにしてしまい、チャドは少し機嫌が悪くなった。   この国では、魔法使いは異様の者として忌み嫌われている。見付かった場合、良くて町、村からの追放、悪くて公開死刑にされてしまう。 なので普通は素性を隠して暮らす彼等だが、チャドはアルジャーノンにのみ打ち明けたのだった。 もちろん、アルジャーノンはこの事を誰にも言わず、10数年一緒にいる。 二人の間に、隠し事はほとんど存在しなかった。
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