警戒心

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「………」 白い部屋のど真ん中にある白いベッドに一人、物思いにふけっているウィルドがいた。 (あいつ…アルジャーノンっていったか。医者呼ぶのに何分かかっているんだ?) アルジャーノンが出ていって40分、いくらなんでも遅すぎである。 (人間なんて信用ならないし…。今のうちに逃げようか…?) キョロキョロとあたりを見回し監視カメラや見張りが無い事を確かめる。 (今なら、行ける…!) 行動に移そうとした直後、軽そうな扉が開いた。 「…ッ!」 あわてて体をベッドに戻し、何事もなかったかのように振る舞う。 わずかに肩が痛み息が詰まったが、そんなことは気にしなかった。
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