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「なんだ。お前最下級種なのか。」
目ざといウィルドもそれに気付いて、嫌味ったらしく茶化す。
「…えぇ、まぁ。」
「………」
ニコリと微笑んで返すチャドをみて、少し寒気を感じたウィルドは押し黙った。
「ま、まぁ‥この話はまた今度にして。それよりウィルドさん。良ければ家(うち)に住みません?」
「……は?」
話の仲裁に入ったと思ったらいきなり訳の分からない提案を出したアルジャーノンを、つい変なものを見るような目で見てしまう。
「ですから、家に住みません?」
「なんで」
「だって、行くところ無いでしょう?」
「…!…な、んで…」
「分かるんですよ。俺が、そうだから。」
言い当てられて動揺していると、アルジャーノンがふふ、と微笑んだ。
その笑みには悲しい雰囲気があり、ウィルドは何と無く親近感を感じた。
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