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まさか、自分にも挨拶をしてくれるとは思っていなかったチャドは驚きながらも挨拶を返した。
「じゃあウィルドさん。俺達もう行きますね。どうぞゆっくりしていて下さい。」
「あ、何かあったら僕かアルジャーノン君を呼んでくださいね。」
「わかった。」
そう返事をすると、二人は安心したように笑って出て行った。
「……」
しばらくして、ウィルドはボスンとベッドに倒れ込んで天井を見上げた。
(ひとまずは、良かったのか?)
少し、うとうととしながら思う。
(…っていうかあいつら自己紹介しに来ただけかよ…。……まぁ、帰る所焼かれたし……何よりも、アイツから逃げられたんだし…。)
目がトロンとして、ボーっとなっているのにも気付かない。
(それにアイツら、悪い奴らじゃあ‥なさそう…だし……)
コテンと眠りに入ってしまった。童顔のためか、どこかにあどけなさが見える顔には、やさしい安らかさが感じられた。
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