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コンコン、と控え目な音が鳴る。
「どうぞ」
そうウィルドが応えるとソロソロと扉が開いた。
「ウィルドさん。いま平気？」
「…平気も何も…この時間はずっと外に出してもらえないじゃないか」
「あぁ、そっか」
さりげなく責める口調のウィルドを軽くあしらって、チャドが後ろ手に扉を閉めた。
「何か用か？」
「うん。もう部屋から出ていいよって伝えに来たんだ。」
ニコニコしているチャドを冷ややかな目で見据えるウィルド。相当腹が立っているらしい。
「ほぅ、それは有り難い。だか理由を聞かないとな。何故、毎日俺は部屋から出してもらえないんだ？」
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