プロローグ

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もう少し…。もう少しでアイツらから逃げられる…。 鳴り響く警報音の中でリンが 「大丈夫?」 と不安げにボクに聞いてくる。 ボクは笑って 「ああ、あと少しだ。」 と答えた。 40mぐらい先に青いゲートが見えてきた。 この青いゲートさえ越えれば、アイツらは追ってこれないはずだ…。 「リン、ゲートだ…。ゲートが見えるぞ!!」 息をきらしながらボクはリンにそう言うと、彼女は泣きそうになりながら言った。 「あと少しで、私たちは本当に自由だね…。」 「ああ、これでボク達は本当に自由なんだ。」 一歩一歩を踏みしめるように走り、少し錆付いた青いゲートを通過した。 そこに見えるのは見渡すかぎりの荒野と、人が住まなくなり意味を無くしたビルの群れが地面にはびこっていた。 空も気持ち悪い灰色でくすんでいる。 そう、ここがキミとボクが住む自由なセカイなんだ…。
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