夕日のころ

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照れ笑いする父を見て思った。 まだ母のことが愛しくて堪らないのだと。 今でも亡き母を愛してやまないのだ。 「……あれ?」 パラパラとページをめくっていると、あるところで手がとまった。 何度も目を擦っては覗きこむことを、数回繰り返す。 (このアングル、似てる……) 「ねぇお父さん、これって……誰?」 「どれだ?」 父はアルバムに覆いかぶさるようにすると、僕の指差した人物を確認した。 幼い父がピースをしている横に、少女がいた。
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