夕日のころ

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  「これな、お気に入りだったんだそうだ。似合ってるだろ?」 ──今思えば、色々とおかしな点があった。 家の場所や通っている小学校を聞いても、『あっち』と山の方を指すだけではぐらかされた。 会う日にはいつも同じ洋服を着ていた。 僕の周り、特に父の近況をやけに聞きたがった。 彼女には、友達や好きな子以上の愛情を感じた。
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