夕日のころ

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  「そうよ。旬を放っておけなくて、出てきちゃったの」 そして、あまりに現実離れした光景を目の当たりにして驚愕している父の方にゆっくり視線を移した。 「豊さん、あなたもよ」 「……美……香子……?」 口をあんぐりと開け放った父は、信じられないという表情で、立ち尽くしたまま微動だにしない。 「こっそり覗いてたけど、見ていられなかったわ」 「あ……ああ……すまん」  
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