夕日のころ

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  “ま た 会 え る”。 これが最後じゃないんだ。 本当なら一度死んでしまった母に会えるなんて夢のまた夢。 これは奇跡以外の何物でもない。 僕は幸せなんだ……。 たとえ今までみたいには会えなくなっても。 「……ひっく……分がっだよ、お母ざん……」 それを聞くと、母は安心したようだった。そっと立ち上がり、父と僕から離れる。 「これからも、ずっと見守っているわ。たまには私のこと、思い出してね……」 「当たり前だ。いつも想ってるよ……」
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