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あの後…、父さんがああ言ってくれた後…、本当に久しぶりに、姉ちゃんと二人きりで…ちゃんと向かい合って…、互いの気持ちを確認し合った。
「…姉ちゃん…ホントに…おれで…いいの?」
あんな風に、「好き」と父さんの前でも、はっきり言ってくれたけど…、やっぱり確かめずにはいられなくて。
「…央ちゃんじゃなきゃ…やだ…」
神経を…集中してないと聞こえないくらいの小さな声だったけど…、姉ちゃんは、ちゃんと…おれに向かって…そう言ってくれた。
「…待ってて…くれる?」
おれの重なる質問に、姉ちゃんはやっぱり小さくだけど…、ちゃんとうなずいてくれる。
「おれっ…、がんばるからさ!何をがんばるか…まだわかんないけどっ…!姉ちゃんを、幸せにできるような、大事に護れるような…そんな人間になるからっ…!だからっ…」
姉ちゃんが、おれの手に、自分の手をそっと重ねた。
「…待ってる。…ずぅっと…待つ、から…」
やっと、やっと…手に入れた。
そう思うと…、頭のてっぺんから足の先まで…、どうしようもないくらいの喜びが満ちていく。
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