いらだつ気持ち ~央太~

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 気がつけば、拳を握りしめている自分がいた。    冷静になれ、冷静に…。  おれは、必死に自分に言い聞かせた。  考えてみろ、「自分の姉ちゃんが、人気がある」っていうのは、普通に考えれば、喜ばしいことなんじゃないか?  なのに、どうしておれは、それを喜べないんだ?むしろ…、いらだたしく思っているのは、どうしてだ?  その答えは、初めからわかっていたようにも思う。  でも、おれはその答えから、目を背けていた。…いや、背けなくちゃいけない…そう無意識に思っていたんだ。
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