いらだつ気持ち ~央太~

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 いらだちと、焦りのようなものを感じながら、その日、1日を過ごした。放課後、一也がおれのそばにやってきた。 「なぁ、央太~?今日、お前んち行っていい?」 「…なんだよ…」  理由は、わかっていたが、あえて口には出さないでいた。  そんな、おれの気持ちを見透かしたような顔をしながら、一也はおれの耳元で言った。 「瑠里さんとのこと…協力してくれよ?」  おれは、その頭を一つ殴ってやった。 「んなもん、自分でなんとかしろよ」  おれに殴られた頭を、さすりながら、 「いってーなぁ…もう…。だーかーらー、今、自分で何とかしようとしてんじゃん?お前にだって、自分で頼んでるし~、瑠里さんとのきっかけができたら、後はお前を通さないで、がんばるしぃ。…それとも何?…お前、瑠里さん紹介したくないわけ?」
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